2026年4月7日、科学技術に関する研究開発、理解増進等において顕著な成果を収めた者に授与される科学技術分野の文部科学大臣表彰に、
弊社CTO伊藤孝行(京都大学大学院状況学研究科 教授)が選ばれました。
令和8年度 科学技術分野の文部科学大臣表彰 科学技術賞(研究部門)
「AIエージェントに基づく合意形成支援システムに関する研究」
受賞業績概要:
インターネット等の普及により意見発信は容易になったが、それらを集約し合意形成を図る仕組みは未確立である。従来の対面形式は参加人数や時間に制約があり、既存の掲示板は炎上しやすく、構造化ツールは自由度が低いという問題があった。すなわち、「自由な発言環境」と「効果的な意見集約」の両立が解決すべき技術的課題であった。
本研究では、大規模意見集約システム「Collagree」 「D-Agree」「Hyperdemocracy」を開発した。深層学習技術を用いてテキストベースの議論から構造を自動抽出し、従来の人間によるファシリテーションの限界を超え、AIエージェントが24時間体制で自律的に議論の整理や活性化を行う自動ファシリテーションを世界に先駆けて実現した。
本研究により、名古屋市の次期総合計画策定やアフガニスタンでの実証実験において、AIエージェントが大規模な意見集約に有効であることが証明された。さらに、AIの介入が対立グループ間の偏見や不安を軽減する効果があることをランダム化比較実験で実証し、その成果はCommunications Psychology (Nature Portfolio)誌等で高く評価されている。
本成果は、都市計画や公共事業における市民参加の地理的・時間的障壁を取り除き、多様な意見を反映した納得感のある政策決定プロセスの確立や、複雑化する社会課題における建設的な合意形成の促進に寄与することが期待される。


